笑ウJENAニハ福キタル

些細なことで笑顔になれるシアワセ。
さあ笑いましょう。

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被災地 岩手への旅
週末を利用して、岩手の山田町に住む高校時代の先輩に会いに行って来ました。

彼は親戚が住職を務めるお寺の後継者として岩手に移り住み、そして昨年の震災で津波の直撃を受けました。

高校当時から仲のよかった仲間たちで「よし。みんなで会いに行こう。」との話がまとまり、今回、車1台に7人乗り込んで訪ねた次第です。

往路の約11時間、久しぶりに集えたメンバーもいたため、思い出話などに花が咲き、狭い車内に流れる窮屈な時間も賑やかに和やかに過ぎていたわけですが、途中、釜石の市街地を抜けたあたりから沈黙が増えたのは、長旅の疲れのせいではなく、眼前に広がる圧倒的な光景のせい。

基礎だけを残して津波に流された建物の跡が延々と続きます。報道では何度も目にした光景です。テレビやパソコンで見ての感想など、実際に目の当たりにしたら何も出てきません。3年前のカーナビが告げる「500m先、ローソンを左です」のローソンがない。そんな道の先に目的地はありました。

東京から約600km。東北道をひた走り、遠野の山を越え、釜石から北に上ってたどり着いた山田町で、彼と2人の子供たちは笑顔で私たちを迎えてくれました。

あらためて、何より無事でよかった、と思った瞬間でした。

彼のお寺で待ち合わせ、まずは今年になってプレハブで建てられた仮設本堂の中を見せてくれました。

 

この香炉と読経のための鐘は瓦礫の中から奇跡的に見つけられたものだそうです。


地震当日の様子など、あらためて「その場」で聞かされることの意味の大きさはハンパではありません。

でも、高校時代からふざけたキャラで周囲からの注目を集める存在であったこの男は、想像を超える状況に言葉を失っている仲間たちの眉間に寄ったシワを、相変わらずのふざけた話しぶりで緩めてくれることも忘れていません。それはホッとすることでもありました。

既に日も落ちていたので、「明日また寄って見てって」とお寺を後にして、一行はホテルにチェックイン。そして旅の目的のメインである「飲み会」へと突入したのでありました。

彼が予約しておいてくれた居酒屋は、津波にほとんどの建物をさらわれた場所にプレハブで建てられていました。

まあ、呑み始めたら単なる同窓会です。「妻子も同席するので、思い出話は良識ある程度にお願いします」とワケのわからんことをあらかじめメールでわざわざ言ってくるような様々な武勇伝(?)をお持ちの和尚でございます。途中でご家族が帰られるまではそれなりに良識に基づいてお話ししてたと思いますが、和尚、いかがでしたでしょうか。

和尚と共に居酒屋を出て、ホテルの部屋で呑み直し。三十年近い付き合いです。そりゃあそれなりに年齢を重ねておりますゆえ、老眼がどうしたとか腰痛がどうしたとかって自慢をしつつも、基本的に高校の頃からちっとも成長していないことを再確認する時間。愉快な仲間たちの夜は愉快に更けてゆきました。

翌朝7時にはお寺の行事で出かけなければいけないという和尚が帰ったのは午前1時過ぎ。ホテルの外まで送りに行くと満天の星空が愉快な仲間たちの再会を祝して輝いていました。

翌日、私たちはお寺までもう一度行ってみました。



入り口です。「海蔵寺」と書かれた門の石塔も瓦礫から探し出して再度そこに建てたものです。

奥に建っているのが仮設本堂。



仮設本堂の前に震災の慰霊塔が立てられています。そしてこのお寺のすぐ脇が瓦礫の集積場。

津波が押し寄せてきた時、少し高台にあるお墓のところに登って助かったとか。

そこからの今の光景です。


今は遠くに見える海が、あの時、あらゆるものをなぎ倒しながら高台のすぐ下まで押し寄せてきたそうです。

地震で散乱した塔婆を集めて焚き木にしてとりあえずの暖をとったという話がむずがゆく耳に残っています。



水が引いた後は瓦礫に埋め尽くされていたという境内も、かろうじて耐えた鐘つき堂の土台を残して今はがらんと広がっています。でも片付けられた瓦礫はその向こうに広がる集積場に積み上げられているだけ。

彼ら家族が現在暮らしている仮設住宅にも立ち寄らせてもらいましたが、何棟も建てられているその高台もまた集積場が眼下に広がる場所でした。あれを毎日眺めて暮らしているのか、ということに心を痛めることが正しいのかどうか。いや、そんなことを考えること自体が間違っているんじゃないか。その場では答えの出しようがない思いがぐるぐる回ります。

帰り道、海蔵寺の前に広がる船越湾を一望できる場所がありました。



穏やかでとてもきれいな海でした。それを眺めながら愉快な仲間たちの一人が呟いた「この海が悪いわけじゃないんだけど」という言葉に誰も何も返事なんかできるわけがない。

本当に複雑な思いが帰ってもぐるぐる回り、このぐるぐるを自分の中で一旦まとめなければ、それも記憶が熱いうちに、という思いから今日のブログを書いています。でも何をどうまとめればいいのか困りながら書いていたらものすごく長くなってしまったし、すでに何時間もパソコンの前に座っています。ここまできてもまだよくわかりません。

夏に何人かが集まって呑んだ時に酒の勢いで決まった企画でしたが、行ってよかった。うん。それは本当にそう思います。

被災地を訪ねておいて「よかった」って表現は不謹慎ではなかろうか、そんなことを考えるとまたぐるぐる回ってしまいますが、被災地はちゃんと自分の目で見なければ、ってずっと思っていたし、それが「みんなで仲間を訪ねる」という形で実現できたことはむしろ勢いがなければムリだったと思います。

十代の後半にしょっちゅうツルんで「健全な」青春時代を共に過ごした仲間たちです。よい仲間に恵まれたことをあらためてありがたく思えたのもこの旅のおかげでした。本当に楽しかった。不謹慎と思われようが、そこはそう言いたいの。


ただ、往復で計23時間の車移動はそれなりにきつい(^_^;)
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生業:うたうたい

「ニホンゴ話せますか?」とよく訊かれるが、生粋の江戸っ子、神田の生まれ。
英語で歌い、ポルトガル語で歌い、スペイン語で歌い、時にタガログ語でナンパされる。そんな無国籍な風貌でありながら、明神下で日本舞踊を教える父を持つ。
一番好きな酒はテキーラだが、一番好きな食べ物はあん肝(一緒にヤッてみたことはまだない)。
「無節操」をポリシーに、明るく楽しいビンボー生活をエンジョイしながら、日々、歌っている。

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